引用はほぼ全てウィキペディアから。
・経緯
信貴山真言宗の元だった高野山真言宗では明治5年に女人禁制が解かれたとか。
詳細は知らないが、あれ?では聖の尼公って何?と疑問に思い信貴山縁起をググった。
(尼が認められた歴史を知らないので、そこはわからないまま。)
「一輪の元ネタが剣鎧護法童子ならやばい」って説をどこかで聞いてそりゃねえ
と思っていたが、それも信貴山縁起に登場する。ついでに調べた。
とても単純な話、ウィキペディアで関連語句を辿って読んでいくと成る程と納得した。
東方の三ボスの中ではかなり複雑にネタを絡められたように見える。
・信貴山縁起
>命蓮の加持祈祷の力で、病の床にあった醍醐天皇の病いが平癒する。剣の護法童子が空を飛び、転輪聖王の金輪を転がし、後ろに飛行機雲のような細長い雲を残して、天皇のいる清涼殿に現れる。
図で聖の遣わした護法童子が雲を引いている。
神主がこの雲を意識したかは微妙だが、絵的に車輪は明白なのでこれを見て
「輪と言えば輪入道、入道だから仏教にも合う」という発想ではないかと思う。
護法童子の詳細は仏教概念的で、あまり東方に盛り込まれてないように思うが一応そこも見ておく。
>輪とは、全体(輪、Cakra)を形成するための要素という意味で、また煩悩を摧破する輪宝のことである。
心綺楼で「否徳の法輪」というアイテムがあるけど、輪は仏教の象徴とされるようだ。
一輪が寺の妖怪として登場するのは必然である。
>「輪」とは古代インドの投擲武器であるチャクラムのことである。人々が僧侶から説かれた仏教の教義を信じることによって自らの煩悩が打ち消されるさまを、その破邪の面を特に強調して、転輪聖王の7種の宝具の1つであるチャクラムに譬えた表現である。
>その後、法輪は仏教の教義を示す物として八方向に教えを広める車輪形の法具として具現化され、卍と共に仏教のシンボルとして信仰され、寺院の軒飾りにも使用された。
>また、中国では道教にも取り入れられ、教義を示す用語として使用されている。
>なお密教では、明王は教令神(三輪身の1つ)といい、教えを広める役を持ち、これに対し護法善神は外敵から守る役であるとされる。
護法童子の役目は外敵から守ること。ここは一輪で意識されてるかもしれない要素。
・輪入道
win東方の妖怪は鳥山石燕の描いた中から出典されるネタが多い。現代で妖怪と言えば大体
これをソースに構築された価値観のように感じる。水木しげるも。
極論、東方で今後登場する妖怪を予想するなら石燕の妖怪リストから探せばいいとさえ思う。
一輪に関して輪入道も確実に参照しているだろう。
僕は大まかに輪入道しか知らなくて、一輪はオマケ創作だろうと思っていたが
よく読んでみると、
>京都の東洞院通に現れたという車輪の妖怪「かたわ車」のことを描いたものとされており、『今昔画図続百鬼』で別々の妖怪として描かれている片輪車と輪入道を同一のものとする解釈もある。『今昔画図続百鬼』の輪入道は男性、片輪車は女性として描かれている
>『妖怪お化け雑学事典』では、この話は「片輪車」ではなく「一つ車(ひとつぐるま)」と題されている。
これは知らなかった。
片輪車、一つ車、と呼ばれる女の輪入道こそ本来の伝承。男の輪入道はそこから派生した。
一輪が本来の妖怪「片輪車」で、雲山は対になる「輪入道」。
東方はよくこういう、「マイナーだけど実は上位の存在」をキャラにする。
更に、
>津村淙庵による随筆『譚海』にはこれとまったく同様の妖怪譚があるが、近江ではなく信州(現・長野県)のある村での話とされている[3]。『諸国里人談』の近江の話が信州の話に置き換えられたとも[4]、逆にこの信州の話が近江の話として『諸国里人談』に採録されたともいわれる
>津村淙庵『譚海』より「信州某村かたわ車の神の事」
http://www.geocities.jp/hesoraku/main/bakemono2/machi_other.html
何と信州の神の伝承が元であるという説もあるらしい。これも長野出身の神主が意識してそうな要素。
星蓮船では神と妖怪が同じだと白蓮が言ってるけど、片輪車は神とも妖怪とも伝わっている。
・見越し入道
僕はまだちゃんと読んでないが求聞口授では見越し入道の話になっていたようで。
輪入道じゃなかったのか?という事でそちらも読んでおく。
>鳥山石燕の妖怪画集『画図百鬼夜行』に「見越」の題で描かれた見越し入道(画像参照)は大木の陰から覆い被さるように出現した様子
雲山は輪入道なら手があってイメージが直結しないけど、見越し入道の絵では上半身なので手もある。
見越し入道は足もあるイメージだったけど石燕は下半身を描いてない。
星蓮船で最初からこれを想定していたかは定かでない。輪入道+入道雲というだけかもしれない。
もう一つ興味深いのは、
>信濃国(現・長野県)ではムジナが化けたものといわれる[13]。また前述の檜枝岐では見越し入道は提灯、桶、舵などを手に持っており、その持ち物こそが本体で、持ち物を叩けば入道を退治できるともいう[12]。
求聞口授では首を切られるという記述が、何で雲に切れるのかと思っていたが
元々は動物に噛み切られるというニュアンスがありそうだ。道具が本体という話も一輪の持ち物で面白い。
それと、求聞口授と執筆時期が近い心綺楼でこんなセリフがある。
>マミゾウ 「さて年寄りはそろそろ退散するぞい。
>今度はそちらの若造と化け合戦といきたいのう」
>一輪 (若造って雲山の事かしら)
雲山年配っぽいのに若造って、マミゾウ何千歳だ!と不思議だが、
見越し入道が信濃でムジナってことは、雲山がタヌキ変化って意味で
マミゾウがそれを見抜いて若造タヌキだと言いたかったのではないか。
総括としては、一輪は仏教とも長野の妖怪とも関係があって色々なネタが混ざってる
かもしてないという事。三ボスで最初からそこまで考えていたならすごい。
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